上海オフショアについて

上海オフショアについて書く。

うちの会社では、4年前の2007年ぐらいから中国・上海に拠点を作り事業を行っている。 その1つが、僕が関わっている上海オフショア開発。

オフショアは、元々差分ビジネス。 高騰する日本国内の仕入れ原価を、安く労働力が手に入る国で生産を行うことで利益率を上げる形。 自動車業界、アパレル業界はもうバブルの頃から行っていて、今では当たり前に海外工場で生産している。 誰も中国産の服に違和感を持たずに買っている。

システム業界でも、SIerは結構前から取り組んでいる。

話を戻し、うちの会社でそのオフショアでシステム開発をやっていて、 僕が積極的に関わりはじめたのが2年前の2009年。

初めてのオフショア案件では、ひどい目にあったwww

・出来たと言って上がってきて、動かすと画面が表示されないw ・画面が出たと思って、画面のボタン押したらエラーで落ちるw ・スケジュールを確認して、「出来てます。大丈夫」と何度も言われて、最終的に確認したらほぼ出来てないw ・出来てないのに帰るw ・言い訳ばかりするw

毎日テレビ会議で怒鳴り散らしたw 僕は温厚な方だけど、あまりにひどかったのでw

なんとか納品までこぎつけて、振り返りなど行った。 結局、彼らにはノウハウがなかったりするだけだった。 ワークフローもないまま、日本からやたら怒られて、何度も何度もやり直しをさせられる。 こんな状態。 なんで怒られるのかも理解出来ない状態だった。

ただ、一部のプログラマのソースを見たとき、すごく出来がよかった。 複雑な仕様を理解し、効率のよい書き方。 バグも少ない。

そこで、「育てたらうまくいくんじゃないか」ってふと思った。

そこからは、何度か上海を訪れ、案件の内容を伝える傍ら、勉強会など開いたりした。 日本の技術を紹介したり、ワークフローを教えたり。 これからのWebの方向など話したり。 上海のリーダーたちと、ダメな部分を話し合い、案を出して1つずつ潰していった。 スケジュール管理、機能ボリュームの判定、着手の順番、担当者の割り振りの仕方、テストの手法、共通機能の整理、ソースレビュー、などなど、色々やった。

2年間やってきた。 そして、今、上海に来て彼らのやってることを見ると、もうほとんど教えることがなくなった! 今までは手取り足取りだったのが、安心して見られる状態に。 なんか、レールに乗った感じ。 このまま進めば間違いなく進むだろうなって思えるようになった。

レール敷くのが大変だったけど、成果あったと思う。 上海の技術者たちはほんとによく頑張ったと思う。

日本のWeb制作会社のシステム開発のレベルは、もう結構超えてるんじゃないかな。 日本では、結構ひどい会社が多いからw まともなものが納品されなかったり、スケジュールを守らなかったり。 日本は、優れた会社も多いけど、下も結構多い。 うちの上海システム部隊は、日本のそういうひどい会社に比べたらものすごくよいと思う。

今、上海の彼らに僕が出来ることは、このレールをちゃんと進むよう見張ることかなw 変な方向に行かないように。 あとは、これを維持する方法を彼らと一緒に考えていくこと。

そして、その技術力を活かせる場を作っていくこと。 もうオフショアという分野のレールは出来てる。 せっかく出来たこの技術力を、これからは応用していかないとね。

賃金の上昇、優れた技術者への業務の集中、情報共有の難しさ、新しい技術者の教育、 レールに乗っても次の課題はいっぱいある。 日本と同じになってくるんだよねw

ここを乗り越えることで、日本の閉塞感とは違う方向に持っていきたい。 日本という失敗例があるから、参考に出来るのは大きなメリットだw

課題はあっても、打つ手はまだまだ色々ある。 今後も、コツコツとやり続けることで未来は明るいと思う。

何事も諦めずに、投げ出さずに継続することで何か成果は出るもんだ。