ここ何年かで読んだ中で、自分の考え方を変えた本のひとつ。 『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 マット・リドレー』
「昔はよかった」 「この先大変な時代になる」
こういうことが、いつの世も世間を賑わせる。 ただ、本当にそうなのか?
「石油はあと30年で枯渇する」 「地球は寒冷化している」 「地球は酸性雨で壊滅する」
こんなこと、僕が子供の頃に言われていて、みんな信じていた。 けれども、実際そんなことにはならなかった。
人は、楽観的なことより、悲観的なことに同調しやすい。
そのようなことを、過去の問題や話題を例に出し合理的に判断しながら、人類は進化していて悲観的にならなくてもよいということが記載された本。
また、今「悪」とされていることも、人類の発展には必要なことであり、多くの救われている事が存在する。
たとえば、遺伝子組換え食品など自然食品と相反するものは、 実際は食糧危機を防ぐ有効な手段であったりもする。
世界中の人が自給自足の自然農業に退行すると、土地が足りなくり森林伐採など進んでいってしまう。 今は遺伝子組換えなどは劣勢で進んでいないわけだが。
マイナス的な側面だけでなく、とにかく前向きに考えている考え方がとても興味深かった。
もちろん、書いてあることが全て正しいとか言うわけでなく、細かく突っ込むと楽観的すぎる部分もあるのだけれど、人類が繁栄してきた歴史を否定せず、未来は明るいというところが気持ちよかった。
人類が常に交換の上に繁栄してきたという、人類史もおもしろかった。
僕の中でのベストに入る本。