2011年のWebがどのようになっていくのか、僕が考えていることを書いておく。
2つです。 ・ソーシャル ・ロケーション
2010年の総括にも書いたけど、この2つです。 「ソーシャル」については、2010年にかなり確立したけど、呑まれていたのが一般的になる。 これは当然誰でも思っていること。
「ロケーション」について、実はあまり触れられていない。 今、日本では「ロケーション」に縛られずに「グローバル」にというのが流行り。 これは、世界を視野に入れるという考え方。 新卒採用の半分が外国人とか、海外勤務を経験させるとかが象徴。
僕が考える「ロケーション」は、グローバルではなく『ローカル』。 Google、Facebookの台頭で、世の中はグローバルスタンダードを求め、誰がそれを確立するかに向かっている。 これは、世界中の人たちが意識することなく1つの概念、システムでつながり、グローバル化する感じ。
それはそれで進んで行くとは思うけど、実はその先は地域特有とか、ローカル化とかそういう方向に進んで行くのかなと僕は思っている。 GoogleやFacebookって、アメリカ発。 「アメリカ万歳」感はやっぱりある。 世界の国々の文化やアイデンティティをあまり重要視していない。
僕は、日本の中でもロケーションでは大阪、東京、京都で生活し働いたことがあり、上海へ出張もしている。 あと、大学時代から多くの旅をした。 国内では、おそらく東北以外の地域には旅行したし、 海外では、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、スイス、ベトナム、香港、アメリカ、中国など。 色々なところで生活したり現地の人に触れたり働いたりしていて、どこも特有だと感じた。
決して何かひとつの世界的に共通な物事より、その地域特有の文化や習慣の方が強いと感じた。 その地域の人たちは、愛着を持っていたり決して曲げない(頑固な)こだわりを持っている。
大阪人はお笑い好き。京都人は本音を言わない。中国人は中華思想。イタリア人は軟派。アメリカ人は肉食。南の人は陽気。インド人はまじめ。フランス人はおしゃれ。 地元を出たくない。地元で一番になる。田舎で暮らしたい。都会がいい。
これらはイメージというだけではなく、本当にその気質がある。 そのこだわりや地域性は、グローバルな視点から見るととても小さなものと考えられる。 けれども、その人たちにとってはそれが全てだという場合もある。 無理に外に出る必要なんてなく、その中で世界は完結し、大満足もしている。
いくらグローバルな流れが来ようと、これはずっと変わらないと思う。
そこで、Webにおいても大きなグローバルスタンダードな流れではなく、ローカルが重要なキーになる。
日本で、楽天がECの形を作り、日本国内のECがみんな楽天のフローになっていること。 日本で、FacebookではなくTwitterの方が受け入れられ、世界的な分布もかなり多いこと。 日本で、Mixiの中で閉鎖的なシステムが受け入れられること。
グローバルに各国、各地域へ進出して行きながらも、その地域の特性をどれだけつかめるか、 その地域に合わせたものを提供出来るか。 こういうことがWebにおいて、ひとつの勝てる要素であると思う。 昔からやっている、自国のものを各国に適用させていくやり方。
『グローカル』という言葉があって、大きく2つの意味があると思う。
僕の会社で去年取り組み始めた『グローカル』は、ローカルで作られたサービス/システムをグローバルに広げていくという側面が強い。 僕が上に書いたのは、グローバルなサービス/システムが、ローカル化するという『グローカル』。
グローバルなシステムがある上で、そのインフラ上でローカル的なものが発展する。 そういう感じになるんじゃないかな。